万年筆使いアキラ

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P・オースター著「ムーン・パレス」を読みました。

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こんにちは。読んでもらってありがとうございます。

この世界はある意味、偶然の連続だと思いませんか?

まず、両親にとっては必然であったとしても、自分にとってどの両親から生まれるかは偶然ではないでしょうか。

生まれた時間や場所もしかり。成長して、どの学校に行くかもある意味選んでいるようでこの世界から偶然に提示された限られた選択肢のなかから選んでいます。

好きになる異性もお互いの偶然と偶然が重なりあって出会っている。今流行の「35億」から選びに選んで好きになるわけではないですよね。(笑)

でも偶然出会ったその人を好きにならないなんて不可能なくらい恋してしまうのが人生の面白いところ。

ポール・オースターの著作「ムーン・パレス」は僕が書くと上記のようにチープな表現にしかできない「偶然」起こる事柄を最高の文章力で楽しませてくれます。

この小説の文章の素敵さは秀逸。外国文学なので訳者の柴田元幸氏の日本語力が上手いのかもしれませんが、僕史上かつて無いほどハマりました。

例えば、小説冒頭の「人類が月を初めて歩いた夏」はこの「偶然の連続の物語」を始めるのに最適かつ、読む者を一気に惹きつけてしまう魅力がある一文です。

小説は今より少し前のアメリカが舞台。有名大学コロンビアの学生であるマーコ・フォッグを中心とした家族の不思議な年代記といったところです。

青春時代の一種の狂気的な行動の理由を直感的に感じさせてくれたり、「偶然」の中に人生の真実を織り交ぜている巧みなストーリー。

ここまでの偶然はありえないだろうなぁなんて思うほど物語なのに徹夜で読んでしまうほどの深い伏線は日本人にはなかなか書けない小説です。

読んでいる途中、何度も自分の人生にもこんな偶然があっただろうか?って思いながら読んでしまいました。

僕の人生にも、そう言えばそれなりに「偶然」があり、今がある。時間が流れるにつれて、当たり前にように思っていることも「偶然」の結果だったりします。

読んでいる季節がお盆期間だったのもあり、僕の家にかつて起こった「偶然」を思い起こしながら、父親のことや、お祖父さんのことなんかも思い出したりしました。

歴史の浅い国であるアメリカ人には自分のルーツ探しが好きな人が多いと聞いたことがありますので、そのあたりも意識して書かれているのかもしれません。

不安定な青年の気持ちを描いた部分も素敵ですし、素敵な彼女との出会いやデートの描写も生き生きとしていて、まるで登場人物がそばにいるように錯覚します。

「ムーン・パレス」はとてもアメリカ文学らしい大変面白い小説ではありますが、それだけでは無い深い知性と文章力に引き込まれる小説です。

あぁ英語の原文で読んでみたい!って久しぶりに思いましたよ。

「何かを失うときにこそ何かを得る」というのがこの小説の深いテーマ。何度も読み返す価値がある不思議な魅力を放っています。

個人的にはフォッグに全てを失う前に「その愛」には気づいてほしかったですが、これは読む人次第でしょうね。

これ以上はネタばれになりそうなので、このあたりで終りにしようと思います。

いかがでしたか?ぜひご参考になさってください。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。以上、「P・オースター著「ムーン・パレスを読みました。」の記事でした。

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